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「日本の山」シリーズ 50

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ハッセルブラッド 500CM   プラナー 80o

雪煙烈風の赤岳(2899m)
         
    横岳(南八ヶ岳)から

 
南八ヶ岳の美濃戸口も冬の入山口の一つである。
美濃戸まで雪の林道を車のわだち跡を踏みながら1時間歩く。美濃戸からは白い阿弥陀岳を左に見て、柳川北沢への林道を45分ほどのゆっくりした道のりである。林道終点堰堤からは北沢の飛沫水で凍てる岩の上を滑べらないよう進む。さらに丸木橋を3箇所渡ると樹氷林越しに真っ白い南八ヶ岳の山々が顔を出す。
ここから南八ヶ岳連峰を眺めながらゆっくり登ると赤岳鉱泉テント場に到着する。
翌朝、赤岳鉱泉を暗い新雪の針葉樹林をジグザクの登山道を赤岩ノ頭方面をひたすら登る。登り詰めてしばらく行くと硫黄岳(2760m)である。硫黄岳からは眼前に阿弥陀岳(2,805m)、赤岳(2,899m)が大きく聳え立つ。ここから北の天狗岳(2645m)方面への北八ヶ岳である。横岳へはケルンに沿ってゆるい下りを行く。硫黄岳小屋を過ぎ、横岳(2829m)方面へゆるい坂を登る。横岳周辺はクサリ場やはしごがあり、特に積雪期は十分に注意をして通過すること。

 ここからの赤岳は八ヶ岳主峰だけにどっしりした構えである。この時の赤岳稜線は急な晴れ間と共に茅野市から佐久市方向への烈風風雪で激しい様相に化かしていた。
 2.5mほどの高さの岩峰の二十三夜峰での撮影でも容赦なく烈風が吹きつけ三脚を押えながら、烈風の止む瞬間を待ち続ける。この作品もその中の一点である。