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「日本の山」シリーズ 45

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ハッセルブラッド 500CM   プラナー250o

一瞬の厳冬北岳 (3193m) 
             甲斐駒ケ岳(南アルプス)から

 6月下旬から11月初旬の甲斐駒ヶ岳(2967m)へは、バスの乗り継ぎで北沢峠(2030m)まで行き、ここから歩きで3時間で駒津峰に着き、さらに1時間30分で甲斐駒ヶ岳に到着する。他のコースは北杜市の竹宇駒ケ岳神社か横手駒ケ岳神社からの黒戸尾根コースがある。
 厳冬期の北沢峠へは、JR伊那北からバスで戸台口(高遠乗換え)まで行き、戸台から場所によって飛沫で凍ている戸台川に沿って3時間歩くと赤河原分岐に着く。ここから急登の八丁坂を2時間半ほどで大平山荘に着く。大平山荘の煙突からのたなびくけむりは何時見ても気持ちを楽にしてくれる。

 35年前から旧大平小屋(現在の大平山荘)の故・竹沢重幸さん(2007年1月9日逝去)にはお世話になっている。特に厳冬期の甲斐駒、仙丈岳からの撮影のために60kg以上のカメラ機材テント関係一式をひとりで背負うことになる。この重荷で戸台からの入山だが大平小屋の煙突からのたなびくけむりを見た瞬間にすごい安堵感があり、「大平小屋のおじさん=たなびくけむり」が30年前から成立している。
今回の撮影山行もこの先の厳冬期の撮影テント生活の糧になる。

ここ烈風風雪後のここ撮影地・甲斐駒ケ岳からは誰もいない白銀の世界である。
富士山に次ぐ標高第2位の厳冬期・北岳(3193m)の勇峰を撮影するため氷点下、寒風の中を三脚にカメラを据えて待ち続けた。早く早く・・と、夕暮れ迫るなかを北岳全容を心待ちした。
 この一枚の写真は北岳の全容を見せた一瞬のシャッターチャンスの作品であった。
この後、北岳全容を見ることができた喜びを押しこらえながらテント地へと下りた。