「日本の山」シリーズ 34
ハッセルブラッド 500CM プラナー150o
南八ヶ岳の美濃戸口も冬の入山口の一つである。
美濃戸まで雪の林道を車のわだち跡を踏みながら1時間歩く。美濃戸からは白い阿弥陀岳を左に見て、柳川北沢への林道を45分ほどのゆっくりした道のりである。林道終点堰堤からは北沢の飛沫水で凍てる岩の上を滑べらないよう進む。さらに丸木橋を3箇所渡ると樹氷林越しに真っ白い南八ヶ岳の山々が顔を出す。
ここから南八ヶ岳連峰を眺めながらゆっくり登ると赤岳鉱泉テント場に到着する。
午後から降雪になり、明日の新雪の八ヶ岳撮影が楽しみである。
翌日は今まで積雪上にさらなる新雪の晴れた世界だ。新雪の中をラッセルしながら中山乗越へ逸る気持ち抑えながら展望台へと雪を掻き分けて登った。
眼前には阿弥陀岳(2,805m)、赤岳(2,899m)、横岳(2,829m)、大同心、小同心の連峰、岩峰が聳えている。一日中いても飽きない。
南八ヶ岳の連峰に厳冬期の夕方の低い日差しが徐々に紅く濃く色を増していった。
ハッと気がついた時には、西の空に陽が沈んで静寂の一時でした。