そこで、昭和16年式以降の形式名がある客車(出場時には、それ以前の形式
称号規定に基づくものも含む)を、
主として外観と使用目的に基づいて趣味的に分類し、
「系列」としてまとめてみた。
これ以前に系列と呼べるものには、ナハ22000系があるが、ここでは省略する。
客車の場合、重複形式は用途部カナ記号とセットになっている上、 上記のように番号を詰めて使用する傾向があるため、 単純に形式番号だけ並べても「系列」が見えてこない。 そこで、これらを区別することも考え、以下では系列名を適宜与えた。 ここに示した系列名はあくまでも私の独断できめており、公式なものではない。
鉄道ピクトリアル誌上での特集などでは、客車の台枠が共通であるかなどを 同一形式の判断基準としているが、ここでは、その基準を 厳格には適用していない。今の私では十分な資料が入手できていないためである。
「内容」として、該当する具体的な形式名を挙げた。 原則として、 座席車、寝台車(20系のみ寝台車を前にした)、 食堂車、座席荷物合造車、郵便車、荷物車、職用車の順に、 それぞれの中で形式番号順に並べた。 したがって、歴史的な登場順とは一致しない。 また、優等車の方が両数が少ないのが普通なので、 代表的形式が筆頭になっていないことに注意されたい。
客車は改造による重量区分変更が発生すると重複形式を避けるために形式番号が
変更になることが多い。
また、北海道では耐寒性能を強化するために、2重窓化、
車軸発電機のシャフト駆動化などの設計変更が加えられた派生形式がある。
そこで以下では、これらの派生形式名を区別するために
表中の形式名の末尾に以下の記号を付した。
略号 | 改造項目 |
---|---|
(冷改) | 冷房化改造 |
(電暖) | 電気暖房化 |
(台替) | 台車振替 |
(台変) | 台車変更(新製時より異台車のもの。車体は基本形式と同じ) |
(北) | 北海道仕様設計形式(改造ではない) |
同系列で編成を組むことを前提に設計された系列には、「特徴」に
(固定編成)と付記した。
ただし、固定編成客車でも機能制限が付いたり改造したりすることで
他系列との混結は可能であり、実際、そのようにして営業運転された
こともある。
また、郵便車は形態と編成・運用との関連がないため、
ここで示す同系列車と編成を組んだわけではない。
系列 | 内容 | 特徴 |
---|---|---|
10系 |
ナロ10、オロ11(冷改←ナロ10) ナハ10、ナハ11 ナハフ10、ナハフ11 オロネ10 ナロハネ10、オロハネ10(冷改←ナロハネ10) ナハネ10、ナハネ11、オハネ12(冷改←ナハネ11) ナハネフ11、オハネフ12(冷改←ナハネ10)、オハネフ13(冷改←ナハネフ11) スハネ16、オハネ17 オシ16、オシ17 オユ10、オユ11、オユ12、スユ13,スユ15(2001のみ) マヤ10、オヤ10(←オロネ10)、 スヤ11(←ナハ11、ナハフ11、オロネ10) オヤ17(←オシ17) | 軽量客車(16-17は鋼体化改造車) |
12系 | オハ12、オハフ12、スハフ13 | 急行形波動輸送対応(固定編成) |
14系座席車 |
オハ14、
スハフ14、オハフ15 オユ14、スユ15(2002-2018)、スユ16 | 特急形波動輸送対応(固定編成)、郵便車の運用は10系と同じ |
14系寝台車 | オロネ14、 オハネ14、オハネ15、 スハネフ14、スハネフ15、 オシ14、 | 分散電源式ブルートレイン(固定編成) |
20系 |
ナロネ20、ナロネ21、ナロネ22 ナハネ20、 ナハネフ20、ナハネフ21、ナハネフ22、ナハネフ23 ナロ20、 ナハ20、ナハ21(←ナロネ21) ナハフ20、ナハフ21 マニ20、カニ21、カニ22、 マヤ20、カヤ21 | 20系固定編成客車(ブルートレイン)(固定編成) |
24系 |
オロネ24、オロネ25、スロネ15、スロネフ25 オロハネ24、オロハネ25 オハネ24、オハネ25 オハネフ24、オハネフ25 オハ24、スハ25、オハフ25 マシ24、スシ24、オシ25 カヤ24、 マニ24、カニ24、 | 24系集中電源式ブルートレイン(固定編成) |
E26系 | スロネE26、スロネE27、 スロネフE26、 マシE26、 カハフE26、カヤ27 | カシオペア用客車(固定編成) |
30系 |
スイロフ30、
オロ30、オロ31、スロ32 オロハ30 オハ31、オハフ30 マイネ38、 マイネフ37 マイロネフ37、スイロネフ38 マロネ29、 マロネ37、マロネ38、マロネ39 マロネフ29、 マロネフ37 マロネロ37 スハネ30、スハネ31、 スハネフ30 スシ28、マシ29、スシ37、 マロシ37、スロシ38、 スハシ29、スハシ38 スイテ39(冷改→マイテ39)、スイテ48 スハニ31 スユニ30、スニ30、カニ37 | 鋼製17m級(37-39は20m級3軸台車、スハネ31は19m級)、2重屋根 |
暖房車 | ホヌ30、ナヌ32、マヌ34 | (貨車扱いのヌ600も存在した) |
32系 |
スロ34、オロ35、オロ41、
スロ50、スロ51、スロ52、
オロフ32 スロハ31、スロハ32、 スロハフ30 スハ32、オハ34 スロネ30 マシ29、スシ37、スシ47、スシ48、マシ49、 スロシ38 スイテ37(改番→マイテ58)、スイテ49(冷改→マイテ49) マユ33 マニ31、マニ32、マユニ31 オヤ35 | 鋼製20m級(昭和7年製以降は丸屋根)、狭窓 |
35系 |
オロ36、オロ40、オロ41、オロ42 オロフ33 スロハ32 オハ35、オハ36、スハ40(電暖←オハ36)、スハ42(台変TR40:オハ35) オハフ33 マイネ40(→マロネ40)、 マシ38 オハシ30(←オハ35) スハユ31 スハニ32、 オハニ63、オハニ36(台替)、スハニ37(電暖) マユ35、スユ37 マニ37 | 鋼製20m級、広窓車(屋根が、丸屋根・折妻・キノコ妻の3種、貼上屋根・ノーシルノーヘッダーなどの変形車あり) |
41系 | オハ41(←スロ51、スロ52、スロフ51、スロフ53、) オハフ41(←スロフ51、スロフ53、スハフ42) | 通勤形改造、全車または車端部ロングシート化 |
43系 |
スロ51、スロ52(北) スロ53、スロ54(当初より蛍光灯照明←スロ53)、マロ55(冷改←スロ54)、 スロ60(鋼体化改造)、オロ61 スロフ51、スロフ52(北)、スロフ53 スハ43、スハ45(北)、オハ46(軽量設計化←スハ43)、オハ47(台替TR23←スハ43) スハフ42、スハフ44(北)、オハフ45、オハフ46 マイネ41→マロネ41 スロネ30 マシ35、マシ36、カシ36(冷房改良←マシ36) オハニ36、スハニ37(電暖改造←オハニ36)、 オハニ40(台替←スハニ35) オユ40(車内改造→スユ40)、スユ41、スユ42、スユ43 マニ37 | 鋼製20m級、広窓車、完全切妻(スロ51、スロ52は狭窓) |
40系郵便荷物車 | スニ40、スニ41、 スユ44 | ワキ8000形態の客車 |
44系 |
スハ44、
スハフ43、
スハニ35、 食堂車は43系に掲載 | 特急形(つばめ、はと、はつかり) |
50系 |
オハ50、オハ51(北)、
オハフ50、オハフ51(北) スユ15(2019以降) | 50系レッドトレイン(固定編成:郵便車は除く) |
60系 |
スロ50、スロ60、オロ61、スロ62 スロフ61、スロフ62 オハ60、オハ61、オハ62(北)、オハ63、オハ64 オハフ60、オハフ61、オハフ62(北)、オハフ64 オハユ61、 スハニ61(→荷重変更:オハニ61)、スハニ62(北)、オハニ63(→オハニ36)、 スハニ64(電暖←オハニ61) オハユニ61、スハユニ62(北)、オハユニ63、オハユニ64(北) マニ60、スユニ60、スユニ61 | 60系鋼体化改造車 (オハ60,オハ63,オハフ60のみ基本外観が異る) |
70系 |
オハ70、オハ71、オハ77 オハニ70、オハニ71、 オハユニ71 スニ70、マニ71、マニ72、スニ73、マニ74、マニ76、マニ77、 マユニ78 | 戦災復旧車 |
80系 |
(オハ61→)スロ81、スロフ81 (オハ61→オハフ80→)オロフ80 | お座敷客車 |
丸屋根はスハ32の途中から採用され、5桁形式では区別されていた。
妻形状は35系の途中で、折妻・車端絞り無し(キノコ妻)と変遷し、
43系で完全切妻となる。