内燃機関車

総論

明治40年の鉄道国有化時には内燃機関車は在籍しておらず、 我が国の幹線鉄道用の内燃機関車は昭和4年に第1次世界大戦の 賠償としてドイツから輸入したものが最初である。 したがって、内燃機関車の型式番号は昭和3年式とJR以降との2通りである。

なお、以下の記述の一部は明文化された規約に基づいておらず 筆者の推測によるものが含まれる。


昭和3年式

先頭に英文字Dをつけ、それに引き続き、 動軸数により1動軸(実際には存在せず)からアルファベット順に英字1文字を当て、 その後ろに2桁の数字を連ねて形式名とする。 形式名の後ろに空白をおいて、1から振られた桁数不定の車両番号が続く。

形式番号は、運用最高速度によって85km/hを境に2分している。 これは、当時の貨物列車の運行速度が85km/hより遅かったためで、 貨物用、旅客用で区分する意図であった。 しかし、その後、貨物列車の最高速度が向上した結果、 現在では、この境目はあまり意味が無くなってしまった。
それぞれの中は、原則として制定順に番号を付ける。

重複形式については、全記号番号式で識別する。

表にすると以下のようになる。
動軸数記号
2軸DB
3軸DC
4軸DD
5軸DE
6軸DF
動軸数1および7以上は日本では実在していない。

番号範囲最高速度
10〜4985km/h以下
40〜49試作機・試用機
50〜8985km/h超
90〜99試作機・試用機

試用機というのは正規の名称ではなく、半田が独自に命名したもの。 戦後の、国産内燃機関車開発初期に、車両メーカーが試作し、 国鉄が借り入れ試用した一群の機関車を指す。 44〜49と90〜99との区分は明確には不明である。 前者が低速機、後者が高速機という解釈もできるが、確認できていない。 駆動方式による区別でもない。

内燃機関車の場合、原動機の種類(ガソリン機関、ディーゼル機関、 ガスタービン機関など)や変速方式の種類(機械式、液体式、電気式など)、 および搭載機関数の違いなどは大きな違いであるが、 実例を見る限り、昭和3年式では、これらの区別は事実上なされていない。 ただし、国鉄・JRを通じて、2004年現在、国鉄・JR線で実用となった 内燃機関車の原動機は全てディーゼル機関である。

車両番号は区分方式であるため、形式名と車両番号との区別は容易である。


JR貨物式

JR以降に登場した新形式は、すべてJR貨物の車両である。

先頭に英文字Dをつけ、それに引き続き、 動軸数により1動軸(実際には存在せず)からアルファベット順に英字1文字を当て、 その後ろに3桁の数字を連ねて形式名とする。 形式名の後ろにハイフンをおいて、1から振られた桁数不定の車両番号が続く。

英字部分は昭和3年式と同じ。

数字は100位のみ意味づけがあり、10位と1位は形式の識別用。
100位数値変速方式駆動電動機
1電気式直流電動機
2交流電動機
3その他
4不明
5液体式
6
7
8不明
9

資料とした「JR貨物時刻表」では、掲載内容に若干の矛盾があり、 半田の推測で補っている。

現状では、形式は10位の数値が1つずつ進められており、 1位の数値は0しか用いられていない。 1位の数値は小規模な仕様変更や改造の際に使用されるものと 推定している。


具体例についてはここを参照
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