気動車

2003/9/17 作成
2007/11/11 更新

総論

気動車の形式は、車種および構造用途を示すカナ記号に続けた数字で表される。
方式形式番号桁数表示方式と区切符号重複形式の区別備考
昭和3年式? 5桁 合算方式 純番号 客車の一部との扱い。
1933年以降、気動車は40000代のみを使用。
昭和16年(1941年)式 5桁 合算方式 純番号 客車から分離。10000より使用。
昭和32年(1957年)式 2桁 空白による区分方式 全記号番号 登場時が昭和43年以降でも、昭和32年式による形式名の例が多数ある。
昭和43年(1968年)式 3桁 ハイフンによる区分方式 全記号番号

昭和32年式以降では、カナ部分と数字部分とがセットで形式であるとする立場なので、 いずれかに相違する部分があれば、別形式として、重複を許す。

新性能電車と異なり、数字の奇数・偶数には意味上での明確な区別はない。

JR四国で新規設計した気動車は、この規約に準拠しない。

ほとんどの車種では、区分番台の900番台は試作を表すが、80系気動車のみ キロ格下げ(先頭車改造を含む)改造車に900番台を与えている。

なお、以下の記述の一部は明文化された規約に基づいておらず 筆者の推測によるものが含まれる。

参考:鉄道ピクトリアル アーカイブスセレクション 13 国鉄の気動車 p.138


カナ記号

運転機器に関する仕様を示す部分に、用途・客室構造に関する仕様を示す部分を 連結したものからなる。

運転機器に関する仕様部は、以下の4通り。
記号車種説明
気動車駆動機関付車両、運転台の有無の区別はない
キク制御車気動車用制御車
キサ付随車気動車用付随車
用途・客室構造に関する仕様部は客車に準ずる。


  1. 昭和33(?)年式

    10位の数字

    使用している駆動機関の数を示す。ただし、8,9は別の基準による。
    数値機関方式
    0雑形式()
    1〜4小馬力1機関搭載
    5小馬力2機関搭載
    6〜7大馬力機関搭載
    8特急用
    9試作車・職用車
    0は、歯車式変速機搭載の車両がほとんどだが、 電気式のものもあり、キハ08, 09は液体式である。 キハ06,07も液体式との情報もあるが未確認。

    小馬力は200PS程度未満とされていたが、実際にはDMH17系機関を指す。
    大馬力は200PS超とされており、DMF31など。1台車2軸駆動。

    1位の数字

    車両の構造を示す。特急形とそれ以外とで考え方が大きく異なる。
    用途数値車両の主な用途(設計時基準)
    特急形以外0〜4両運転台車
    5〜7片運転台車
    特急形偶数中間車
    奇数片運転台車
    特急用の場合、上記の表の基準は明確ではないらしく例外も多い。

    一般用だと関連が掴めない。

    電車のように奇数偶数で一組とはなっていない。

    具体例についてはここを参照

  2. 昭和43年式
    数字位置意味
    100位使用している機関の種類
    10位車両の主な用途
    1位車両の形態、形式識別用

    100位の数字

    使用している機関の種類を示す
    数値機関方式
    1〜2内燃機関
    3ガスタービン機関
    ガスタービン機関が次世代のエンジンになると目された時代に 決めた規定であるため、通常の内燃機関には2つしか割り当てられていない。 しかし、実際には、燃費・公害などの問題により、ガスタービン機関は鉄道用 としては使用されなくなってしまったので、今後、100位の4以上をどう扱うかは 注目したいところ。

    10位の数字

    設計時での車両の主な用途を示す。 ただし、3桁形式は空番が多いため、明確な基準が掴みにくく多分に憶測が含まれる。
    制定当時の推定意味JR化後、2001年での実質的意味
    数値車両の主な用途数値車両の主な用途
    0〜4一般用0〜4一般用
    5〜7急行用?(実例なし)5〜8長距離用(事実上、特急用)
    8特急用
    9試作9試作・職用車

    1位の数字

    運転台の有無と関連づけがあるが、現状では統一的な区別はないと考えるべき。

    特急用の場合、運転台付の車両を奇数、中間車を偶数としているが、 例外がある上に、新性能電車とは異なり、 奇数偶数のズレ方が系列によって異なるため、 形式番号だけでは系列が自動的にはわからない。

    一般用はJR化後に登場するが、両運転台車もあるためか、 奇数偶数の関連に一定の規則がない。 3つ以上連続する数値で1系列をなすと考えられるもの(例、キハ110系)もある。


具体例についてはここを参照
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