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「日本の山」シリーズ 89

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厳冬の仙丈岳(3,033m)
         
           甲斐駒ケ岳(南アルプス北部)から

ハッセルブラッド 500C/M   ゾナー 150o


 厳冬期の北沢峠へは、JR伊那北からバスで戸台口(高遠乗換え)まで行き、戸台から場所によって飛沫で凍ている戸台川に沿って3時間歩くと赤河原分岐に着く。ここから急登の八丁坂を2時間半ほどで大平山荘に着く。大平山荘の煙突からのたなびくけむりは何時見ても気持ちを楽にしてくれる。

 35年前から旧大平小屋(現在の大平山荘)の故・竹沢重幸さん(2007年1月9日逝去)にはお世話になっている。特に厳冬期の甲斐駒、仙丈岳からの撮影のために60kg以上のカメラ機材テント関係一式をひとりで背負うことになる。この重荷で戸台からの入山だが大平小屋の煙突からのたなびくけむりを見た瞬間にすごい安堵感があり、「大平小屋のおじさん=たなびくけむり」が30年前から成立している。
今回の撮影山行もこの先の厳冬期の撮影テント生活の糧になる。

ここ烈風風雪後のここ撮影地・甲斐駒ケ岳からは誰もいない白銀の世界である。
 長野県山梨県にまたがる仙丈ヶ岳(3,033m)は、南アルプス北部では北岳、甲斐駒ケ岳のような男性的三角錐形状と異なり女性型で大きな山である。また、富士山に似ていることから「お馬富士」とも呼ばれている。
森林限界から上はカール状の白銀であるが樹林帯の多い大きな山だけに全体をまとめ難い山でもある。
しかし、仙丈ヶ岳は静かで大きな山だけにいつ見てもあきない。