THE ROLLING STONES
LICKS JAPAN TOUR 2003
3月10日までの道のり
ロックの歴史が変わると言われていた本公演は、過去、3度の来日公演が全てドームでの公演だったのに対し、初めて収容人数が1万人規模の小さい会場で行うという事、30年前に武道館5回の初来日公演が決定しチケットまで発売されながらミックの薬物所持による逮捕により入国が不可能になり公演が中止になったという因縁の会場であること、そしてメンバーが還暦間近という事などの要因が重なり伝説の公演になるとまで言われた。私の場合は90年の初来日公演以来、3度の日本公演で合計7回の公演を見てきたが、初来日公演はストーンズを生で見れただけで感動しまくりだったが、それから2度目、3度目と回を重ねる毎に夢の又夢だが、もっと小さな会場で見てみたいとずっと感じていた。今回のツアーはベストアルバム「40LICKS」の発売に合わせ昨年の9月から始まったがツアーはスタジアム(3万人以上)、アリーナ(1〜2万人)、シアター(2,000人規模)の3種の異なる趣向で行うとのアナウンスがあり、その時から、もしかして日本でも?と希望を膨らましていた。が!発表が遅れに遅れ公演1ヶ月前のドタンバで武道館公演の発表。武道館でやること自体に驚き、そして幸運にも「ぴあ」の抽選でチケットを手に入れることができた。
3月10日(月) 日本武道館
Set List
01. Jumping Jack Flash
02. You Got Me Rocking
03. Live With Me
04. Let It Bleed
05. No Expectations
06. Rocks Off
07. Everybody Needs Somebody To Love
08. Worried About You
09. Midnight Rambler
10. Slipping Away
11. Before They Make Me Run
12. Start Me Up
13. It's Only Rock'N Roll
14. Rock Me Baby
15. Can't You Hear Me Knocking
16. Honky Tonk Women
17. Tumbling Dice
18. Brown Sugar
- encore -
19. Satisfaction


当日は席に着いた時から心臓はバクバク状態。定刻の7時を回っても始まる気配がない。そんなことはお構いなしに場内に流れる「I'm
A King Bee」「Shake Your Hips」等のBGMが終わる度に客のボルテージは上がっていった。開演を知らせるブザーが鳴ると同時にまだ照明も落ちていないのに全員立ち上がった。!うわっ、もうチャーリーが!そこにいるじゃないかっ!慌てたかのように照明が落ちるとものすごい歓声の轟音が轟く。暗闇の中、キースがステージに現れて「Jumping
Jack Flash」のコードを奏でる。ミックが軽やかにマイクスタンドまで進む。ドームのような花火もない。しかしこれだけで十分ノックアウトさせられた。
一曲目からミックもキースも近くにやって来て腕がちぎれるほど手を上げて、喉が切れるほど声を出す。その後も「Everybody
Needs Somebody To Love」で仰天して「Midnight Rambler」は延々と格好良い演奏を決め、この日、一番感激した。キース・コーナーでは「Slipping
Away」はギターを杖のように立て掛けて歌うキース。カッコいいぞ!でもギター弾いてくれよ、キース。「Before
They Make Me Run」は久し振りに聴けてよかった。今まではゲスト登場の定番曲であった「Rock
Me Baby」は残念ながらゲストなしでキメる。その後のアンコールを含めた5曲はお馴染みのヒット曲連発!
いつもは食傷気味のストーンズ・ヒット・パレードも武道館ではまったく違った盛り上がりを感じた。ドームでは絶対にこうはならないだろう。観客自体の盛りあがりも凄かったし武道館のアーティストを覆い込むような形状も手伝って会場の一体感がドームとは比べ物にはならない。
かくして夢の2時間はあっという間に過ぎてしまったのだが正直、ライブ後は放心状態になってしまう位、感激して言葉が出てこなかった。ドームでしか今までストーンズを見たことが無かったがドーム公演が「show」ならこの日の公演はまさしく「LIVE」だった。
ストーンズの観客動員力はいまだに物凄いものがあり昨年のアメリカにおける興行収益はポールマッカトニーに続き2位だがポールマッカトニーと明らかに違うのは過去の偉人と今でも現在進行形の違いだろう。ストーンズの場合、今回のツアーも含め20年以上、全世界のスタジアムクラスの大会場を当たり前の様に埋め尽くしショー・ビジネスの最先端を走りつづけてきた。そんなストーンズが小さい会場で演奏する、ただそれだけで大事になるのだが、この極東の地で、しかも日本のロックファンにとって思い入れの強い日本武道館でストーンズがLIVEを行ったことは日本のロックンロールの歴史に最後となる伝説を残したのではないだろうか。
2003.03.21
